このホームページ「債務整理、過払い金返還請求の情報」はブログ形式ではありますが、日々の日記を書くのが目的ではありません。各記事へのアクセス状況を確認しながら、以前の記事についても可能な限り更新を行って、現在でも有用な情報となるよう心がけています

よって、新しい記事だけではなく、必要に応じて以前の記事もぜひご覧いただきたいと考えています。必要な記事を見つけていただく方法としては、このページ一番下の「カテゴリー」から選択するか、サイドバーの下の方にある「サイト内検索」をご利用ください。

今回は「任意整理のメリット・デメリット」の記事を更新しましたので、任意整理を検討されている方はぜひご覧ください。

今回の記事では、任意整理の最近について少し補足してみます。

消費者金融やクレジットカードのキャッシングによる借入でも、この2,3年の間に取引を開始している場合、取引の当初から法定金利内による契約であることが多くなっています。

法定金利とは、利息制限法で定められた金利を指しており、10万円以上100万未満の契約であれば年18%以内となります。この範囲内での借入であれば、任意整理をしても借入残高は減りませんし、過払い金が発生していることも当然ありません。

だからといって、任意整理をしても意味がないと考えてしまうのは早計です。借入残高が減らなかったとしても、任意整理による和解締結以降は利息がかからないのが原則です。

任意整理と、おまとめローンとの比較

たとえば、どうせ任意整理しても借入残高が減らないのであれば、おまとめローンを利用して借り換えすれば返済は楽になるし、ブラックリスト(個人信用情報)に載らないから、その方が良いと考えるかもしれません。

しかし、借入残高が250万円あったとして、おまとめローンにより月々の返済額48,799円(年利14.8%)で借入をしたとします(金利、および返済月額は東京スター銀行の返済シミュレーションを参考にしました)。

これだと、返済期間7年(82回)、総返済額は約396万8千円となります。つまり、150万円弱の利息を支払うことになります。

それに対して、同じ250万円を任意整理により5万円の50回払いで和解すれば、返済期間4年2ヶ月、総返済額は当然ながら250万円です。もし、任意整理の返済終了後もそのまま同じ金額を積み立てていったとすれば、7年が経過しているときには160万円が貯まっていることになります。

おまとめローンによる7年間の返済がようやく終わったとき、任意整理をしていたとすればすでに160万円の貯蓄があることになるのです。任意整理の場合は、その時点でもまだ個人信用情報機関に事故情報が残ってしまっているであろうことを差し引いても、やはり任意整理をした方が有利だと考えられるケースが多いのは間違いないでしょう。

任意整理が困難な場合

おまとめローンの場合には借入の際に審査がありますから、利用したくても審査に通らないこともあります。

これに対して、任意整理の場合には債権者からの審査はありません。任意整理を担当する弁護士、認定司法書士から収入についての確認をされますが、返済可能かどうかは基本的に自己申告により判断されることになります。

ただし、任意整理での返済期間は最長でも5年(60回)程度です。よって、任意整理前の借入残高が250万円だったとすれば、月々の返済額は最低で約42,000円となり、この金額を毎月用意できなければ任意整理は不可能だということになります。

その場合には、任意整理では無く、自己破産や個人民事再生を検討することになりますが、債務整理方法の選択はあくまでもご本人の意思によります。ただし、任意整理が無理な状況で、おまとめローンや、その他の方法で借金問題が解決することはあり得ません。

相談に行ったからといって、任意整理などの手続を必ずしなければならないわけではありません。返済が困難であれば、まずは話を聞いてみるだけのつもりでも、専門家に相談してみることをお勧めします。