消費者金融大手3社の2011年9月中間連結決算が出揃いました。プロミス、アコム、アイフルいずれも売上高に相当する営業収益が大幅に減少しています。

各社から発表された決算は次のとおりです。数字は、今期(平成23年4月から9月)、前期(平成22年4月から9月)の営業収益(単位:百万円)、増減率の順です。

プロミス 100,358 129,026 △22.2%
アコム  81,589  102,848 △20.7%
アイフル 59,102  81,043 △27.1%

最も営業収益の額が大きいプロミスでは前期約1,290億円から、今期約1,000億円と、300億円近くの減少となっています。

以下、2011/11/14付けの日本経済新聞ウェブサイトからの引用です。

消費者金融大手3社の2011年4~9月連結期決算が14日出そろった。プロミスは顧客が過去に払いすぎた利息(過払い金)の返還損失関連の引当金を大幅に積み増し、最終損益の赤字が拡大した。一方、アコムとアイフルでは利息返還損失関連の引当金繰入額の計上を見送り、最終損益が改善した。

プロミスの最終損益は2085億5300万円の赤字(前年同期は33億7100万円の赤字)だった。利息返還に備えた引当金残高を3951億円に前年同期末比約6割積み増したのが主因。

 一方、アコムは最終損益が283億9100万円の黒字(前年同期は438億8000万円の赤字)、アイフルは3.3倍の111億4800万円の黒字だった。(引用ここまで)

このように消費者金融大手の営業収益が急速に減少している最大の原因は、平成22年6月18に完全施行された貸金業法により、貸付についての総量規制が行われためだと考えられます。

しかし、総量規制がされたからといって、誰もがお金を借りることなく生活できるようになったわけで無いのは当然です。

たとえば、クレジットカードのショッピングは総量規制の対象外ですから、これを利用したいわゆる「ショッピング枠の現金化」が目立って増えているように思われます。

また、同様に総量規制の対象外である銀行が、個人への貸付に力を入れる傾向も見られます。新生銀行が「レイク」のブランドを使って、銀行本体として消費者金融業を開始したのはその最たるものでしょう。

さらに、消費者金融から借入が出来なくなった人が増えたことで、一時は下火になったと思われたヤミ金による被害が増えているとの話も耳にします。

現時点では、総量規制の功罪はまだハッキリとしません。しかし、総量規制によって多重債務に苦しむ人が減ったと言い切れないのは明らかでしょう。

私が司法書士として多重債務の問題に関わるようになってから約10年が経ちます。規制強化により改善されたことがあるのも事実ですが、問題解決には程遠いのが現状です。今後も注意深く推移を見守っていかねばなりません。

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