自己破産のよくある質問(Q&A)
自己破産のよくある質問についてQ&A形式で解説しました。一般の方に分かりやすくすることを重視したため、厳密にいえば正しくない記載となっているところもあります。
また、おもに千葉地方裁判所松戸支部へ申立をした場合の取扱いを記載しているので、他の裁判所とは異なる場合もあります。実際に自己破産申立をするにあたっては、専門家(司法書士・弁護士)に相談することをお勧めします。
千葉県松戸市の高島司法書士事務所では、多数の自己破産申立を行っており豊富な経験と実績があります。自己破産申立を検討されている方は、松戸の高島司法書士事務所へぜひご相談ください。
自己破産のよくある質問 目次
Q1 どんな場合に自己破産申立ができるのですか?
Q2 自己破産すれば全て支払わなくて良くなるのですか?
Q3 自己破産すれば必ず免責されるのですか?
Q4 自己破産申立にかかる裁判所費用は?
Q5 同時破産廃止とは?
Q6 自己破産申立を司法書士に依頼できるのですか?
Q7 自己破産申立を弁護士に頼んだ場合との違いは?
Q8 自己破産をするには裁判所へ何回行く必要がありますか?
Q9 自己破産の手続にはどれくらい時間がかかりますか?
Q10 会社(勤務先)に内緒で自己破産できますか?
Q11 自己破産による資格制限は?
Q12 家族に内緒で自己破産をできますか?
Q13 自己破産すると新たな借入れは一生できないのですか?
Q14 自己破産すると家族に迷惑がかかりますか?
Q15 自己破産申立はどこの裁判所へするのですか?
Q16 住民票と現住所が違う場合の自己破産申立は?
A1 どんな場合に自己破産申立ができるのですか?
破産法によれば、債務者が「支払不能」にあるときに、裁判所は破産手続を開始するとされています。支払い不能とは、今月の返済だけでなく継続して返済ができない状態で、所有してる財産や、労働により今後収入が得られるかなどについても総合的に判断されます。
したがって、借金がいくらならば自己破産するべきだと、一律に判断することはできません。たとえば、高齢であったり、病気や怪我のために、今後の収入を得るのが難しいのであれば、100万円未満の債務でも自己破産をすることもありますし、反対に借金が500万円あっても支払い不能にはあたらないと判断されることもあり得ます。
A2 自己破産すれば全て支払わなくて良くなるのですか?
自己破産申立は「破産手続開始と免責許可」を求めてするものです。自己破産し免責許可決定を得ることで借金の支払い義務から解放されることになります。
ただし、免責許可が出ても支払い義務が無くならない債務もあります。これを非免責債権といいます。主な非免責債権は下記のとおりです。
- 租税等の請求権
- 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
- 破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。)
- 次に掲げる義務に係る請求権
- 夫婦間の協力及び扶助の義務
- 婚姻から生ずる費用の分担の義務
- 子の監護に関する義務
- 直系血族及び兄弟姉妹についての扶養の義務
- 雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権
- 破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(当該破産者について破産手続開始の決定があったことを知っていた者の有する請求権を除く。)
- 罰金等の請求権
租税(税金)や罰金については、自己破産し免責許可決定を得ても支払い義務は無くならないということです。また、破産申立の際、債権者一覧名簿に記載しなかった債権者に対する債務も免責されないので要注意です。
A3 自己破産すれば必ず免責されるのですか?
免責不許可事由(破産法252条)に該当する行為がある場合、免責が許可されないことがあります。
ただし、免責不許可事由があれば、全て免責不許可になるわけでは無く、「免責不許可事由のいずれかに該当する場合であっても、裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる」とされています。
現実にも、多少の免責不許可事由に該当する行為があっても、免責が許可されているケースが多いです。ただし、免責不許可事由の内容や程度によっては、破産管財人による調査を経た上で免責許可決定がなされることもあります。
免責不許可事由として問題になることが多い行為として、パチンコや競馬などのギャンブルが主な借金の原因である場合が挙げられます。また、最近ではクレジットカードで買った商品(乗車券・商品券など)をすぐに売却する換金行為が問題になることが多いです。ショッピング枠の現金化は絶対にすべきではありません。
また、過去に自己破産して免責許可決定が確定している場合、その確定の日から7年以内の免責許可申立は、免責不許可事由となります。個人民事再生のうち、給与所得者等再生を利用してその再生計画を遂行した場合、再生計画認可決定の確定日から7年以内の免責許可申立をした場合も同様です。
なお、免責不許可事由、非免責債権の破産法による規定については、次のページでご覧いただけます。
・借金の返済が苦しくなったら(その4 自己破産) (ブログ 「債務整理・過払い請求の情報」)
A4 自己破産申立にかかる裁判所費用は?
個人が自己破産の申立をする際には、同時破産廃止になる場合と、破産管財人が選任され破産手続が行われる場合とがあります。
めぼしい財産を持たず、特段の免責不許可事由が無い個人の場合には、同時破産廃止になることが多いです。その場合にかかる費用は下記のとおりなのて、たとえば債権者数が5社であれば12,590円、10社ならば12,990円です。
・予納金 10,290円
・収入印紙 1,500円
・80円切手 債権者数プラス5枚(千葉地方裁判所松戸支部の場合)
破産管財人が選任されるときでも、会社経営者や、大勢の従業員を雇っているような個人事業主の場合を除けば、上記に予納金20万円(少額管財の場合)と官報公告費用の追加で済むと思われます。
A5 同時破産廃止とは?
同時破産廃止とは、破産手続を開始する(破産宣告を出す)のと同時に、「その破産手続を廃止する」との決定を出すことです。破産手続を開始したのと同時に、破産手続を廃止してしまうのですから、つまり実際には破産手続を行わないことになります。
本来であれば、自己破産申立をすると、破産者が持っている財産をお金に換えて債権者に配当します。これを破産手続といいます。しかし、破産者が持っている財産が、破産手続をするために破産管財人に支払う費用に足りない場合には、破産手続を行わないこととしたのです。
6 自己破産申立を司法書士に依頼できるのですか?
裁判所提出書類の作成は司法書士の主要な業務の一つですから、もちろん、自己破産申立を司法書士にご依頼いただけます。
ただし、債権者に受任通知を送ることができるのは認定司法書士に限られますので、司法書士への依頼後すぐに督促をストップさせるためにも、認定司法書士に依頼するのが安心です。なお、認定司法書士とは、簡易裁判所における訴訟代理について法務大臣の認定を受けた司法書士のことをいいます。
自己破産申立には、専門家(弁護士、司法書士)の力量が大切です。高島司法書士事務所では、平成14年3月の開業当初から自己破産申立を積極的に取り扱っており、豊富な経験と実績を有していますのでご安心ください。
A7 自己破産申立を弁護士に頼んだ場合との違いは?
弁護士は、自己破産申立てを債務者(ご依頼者)の代理人として行います。これに対し、司法書士ができるのは、自己破産申立書の作成および裁判所への提出です。そのため、法律上の位置づけとしては、申立人は債務者本人であり、司法書士は書類作成者に過ぎないことになります。
しかし、司法書士が関与しての自己破産申立の場合、司法書士事務所を書類の送付先とすることよって、裁判所から書類は全て司法書事務所に届きますし、電話による問い合わせも全て司法書士あてに行くことになります。
したがって、裁判所とのやりとりのほとんども司法書士が行うことが出来るのですが、弁護士による申立てとの大きな違いとして、裁判官との面接(破産者審問)の際に司法書士の同席が許されないことが挙げられます。
ただし、この破産者審問は多くの場合ほんの数分で済み、とくに難しいことを質問されるわけではありません。これは、司法書士がしっかりと書類を作成している場合には、事前に書類を見れば必要なことは分かるので、面接の場でいろいろ聞く必要はないと言うことです。
実際、高島司法書士事務所では、これまで多数の破産申立を行い、全てのケースで無事に免責許可決定を得ていますので、司法書士は自己破産申立の書類作成しかできないから不安だというこはありません。
なお、上記は主な収入が給料や年金のみである大多数の個人に当てはまりますが、会社経営者や多くの資産を持っている方などについては、弁護士を代理人として自己破産申立をした方が良いと思われる場合もあります。そのようなときは、ご相談をいただいた時点でお知らせしますので、まずは当事務所にご相談いただければ大丈夫です。
A8 自己破産をするには裁判所へ何回行く必要がありますか?
自己破産をする際には、裁判所へ最低2回行くことになります(同時破産廃止の場合)。1回目は自己破産の申立です。このときは自己破産申立書等を提出し、裁判所費用(予納金)を納めます。
2回目は、裁判官との面接(破産審問期日)です。この破産審問期日は、自己破産申立の2週間から1ヶ月程度後です。面接といっても、自己破産申立書類をしっかり作成していれば、難しいことを聞かれることはありませんし、時間もかかりません(通常は5分程度)。
A9 自己破産の手続にはどれくらい時間がかかりますか?
裁判所へ自己破産申立をしてから、免責許可決定が出るまでの期間は、約3ヶ月です。
実際の流れとしては、裁判所への自己破産申立の2週間から1ヶ月後に裁判官の面接を受けます(これを破産審問期日といいます)。この破産審問期日の当日に破産宣告が出て、その2ヶ月くらい後が免責についての意見申述期間の終期となります。さらに、免責についての意見申述期間が経過してから1週間程度で免責許可決定が出るので、これらを合わせると約3ヶ月となります。
なお、上記スケジュールは、千葉地方裁判所松戸支部への申立で、同時破産廃止の場合のものです。他の裁判所への申立をする際にはもっと時間がかかることもあると思われます。また、裁判所へ自己破産申立をする前の準備期間もありますから、司法書士に自己破産申立を依頼してから手続が終了するまでとなると、もう少し時間がかかることになります。
詳しい手続の流れは、自己破産のページの「2.自己破産の手続」をご覧ください。
A10 会社(勤務先)に内緒で自己破産できますか?
自己破産しても、裁判所や債権者(借入先)から会社宛に連絡が行くことはありません。また、官報に破産者の住所氏名が掲載されますが、会社で官報をチェックしている可能性は極めて低いと思われます。よって、通常は自己破産したことが会社(勤務先)に知られることは無いといえます。
ただし、会社からの借入がある場合、自己破産するときには会社も債権者となりますから、裁判所から会社宛に通知されることになります。この場合でも、会社への返済が終わっていれば、もちろん自己破産しても会社へ通知が行くことはありません。
なお、自己破産したことが会社に知られたとしても、自己破産したことを理由に社員を解雇することはできませんから、会社を辞める必要はありません。
A11 自己破産による資格制限は?
自己破産により資格制限を受ける職業の場合、自己破産の申立をすると一時的にその職業に就くことが出来なくなります。ただし、破産手続が終わって免責が確定することにより復権するので、そのような制限はなくなります。
自己破産による資格制限がある職業のうち、主なものは次のとおりです。
・弁護士、公認会計士、税理士、司法書士
・後見人、遺言執行者
・生命保険募集人および損害保険代理店
・宅地建物取引業および主任者
・旅行業および取扱主任者
・警備員
A12 家族に内緒で自己破産をできますか?
司法書士が債権者へ受任通知を送ると、それ以降、債権者からの連絡は全て司法書士あてに来ることとなります。また、自己破産の申立をした後に、裁判所から送られてくる書類も全て司法書士あてに届きます。したがって、自己破産したことを家族に知られることは通常ありません。
ただし、主に夫の収入で生計を立てている主婦の方が、自己破産を申し立てるような場合には、夫の給与明細の提出を求めらることになるでしょうし、他にも裁判所提出書類を入手するのにご家族の協力を得る必要があるかもしれません。このようなときは、ご家族に事情を話す必要性が生じることも考えられます。
A13 自己破産すると新たな借入れは一生できないのですか?
自己破産をすると信用情報機関に事故情報として登録されます。事故情報が登録されている状態のことを、「ブラックリストに載っている」と俗に言っており、新たにローンを組んだり、クレジットカードを作成したりすることができません。この期間は7年くらいと考えておけばよいでしょう。
登録期間が過ぎて事故情報が消された後は、そのときの信用状態により審査が行われることになりますから、かつて自己破産したからといって審査が厳しくなるようなことはありません(自己破産時に借入れをしていた債権者を除く)。
A14 自己破産すると家族に迷惑がかかりますか?
自己破産をしても家族の誰かへ請求が行くことはありませんし、子供の進学や就職に影響が出ることも無いので、自己破産することで家族に迷惑がかかることはありません。
また、家族の誰かが自己破産したからといって、他の家族までカードが使えなくなったり、ローンを組めなくなったりということも、原則としてありません。
A15 自己破産申立はどこの裁判所へするのですか?
自己破産の申立は、ご自身の住所を管轄する地方裁判所へ行います(ただし、営業所を有する営業者(個人事業主)の場合にはについては、その主たる営業所の所在地に破産申立をするとされています)。
たとえば、高島司法書士事務所の最寄りである「千葉地方裁判所松戸支部」へ申立するのは、松戸市、野田市、柏市、流山市、我孫子市、鎌ケ谷市に住所がある方です。
千葉地方裁判所松戸支部の地図は、裁判所のホームページでご覧になれます。松戸駅から徒歩7分と書かれていますが、イトーヨーカドーの5階から外へ出て、すぐ右側にある松戸中央公園を通り抜ければもっと早く着くはずです。
その他の裁判所の管轄は裁判所ホームページの、裁判所の管轄区域でご覧になれます。
A16 住民票と現住所が違う場合の自己破産申立は?
住民票の住所と、現在、実際に住んでいる所が違う場合には、現在住んでいる所が住所であるとされます。よって、住民票の住所ではなく、現在住んでいる所の管轄裁判所に申立をします。
たとえば、東京都内に住民票がある方が、現在は千葉県柏市に住んでいるとすれば、柏市の管轄裁判所である千葉地方裁判所松戸支部に自己破産申立をします。


