高島司法書士事務所

過払い金請求Q&A

過払い請求(過払い金返還請求)についてのよくある質問をQ&A形式で解説しました。分かりやすくするため、厳密にいえば正しくない記載となっているものもありますが、法律専門家でない一般の方が、過払い金請求についての基礎知識を得るのに十分な内容とすることを心がけました。

千葉県松戸市の高島司法書士事務所は、認定司法書士として、過払い金請求についての豊富な経験と実績があります。ご不明な点があれば、お気軽にお問い合わせくださるようお願いいたします。また、過払い金返還請求 のページもぜひご覧ください。

・過払い金請求Q&A 目次
 Q1  いつまでさかのぼって過払い金請求できるのか
 Q2  取引はいつ終了するのか(取引の終了時)
 Q3  過払い金請求権の消滅時効は
 Q4  過払い金はどうやって計算するのか
 Q5  途中完済がある場合の過払い金の計算は
 Q6  取引が2つ以上の場合の過払い金の計算は
 Q7  途中完済から10年以上経っている場合の過払い金の計算は
 Q8  過払い金請求するには裁判しなければならないのか
 Q9  裁判(過払い金返還請求訴訟)では裁判所に行く必要があるのか
 Q10  相手方が倒産した場合、過払い金はどうなるのか

A1 いつまでさかのぼって過払い金請求できるのか

過払い金請求は、取引が終了したときから10年間は行うことができます。したがって、取引が続いている限りは、どんなに前の取引分までもさかのぼって過払い金請求することが可能です。実際にも、20年、30年前の取引開始時からの過払い金についての返還を受けるのも、決して珍しい話ではありません。

ただし、完済後に取引をしていない場合、完済したときから10年が経過すると過払い金返還請求権が時効になってしまうこともあります(Q3 「過払い金返還請求権の消滅時効」 参照)。また、10年以上前に一度完済して、その後に再借入をした場合、一度完済したときに発生していた過払い金の返還を受けられるかが問題になることもあります。

A2 取引はいつ終了するのか(取引の終了時)

取引とは、借入れと返済のことを指します。しかし、借入れおよび返済が行われなくなったとき、つまり、「最後に取引したとき」に取引が終了するとは限りません。

取引が終了したというためには、基本契約の解約が必要です。よって、完済をしてもカードをそのまま持っていて、しようと思えばすぐに借入れができるような状態であったとすれば、取引が終了しているとはいえません。

ただし、現実の裁判(過払い金返還請求訴訟)では、完済時に解約していなかったとしても、その後、1年程度の間、再借入れがなかった場合には、上記の完済時に取引が終了していたと判断されてしまうことも多いようです。

A3 過払い金請求権の消滅時効は

過払い金の返還請求権は、取引終了から10年で時効により消滅します。

したがって、取引が継続している限りは過払い金が時効消滅することはありませんから、いつまでもさかのぼって過払い金請求ができるのはQA1のとおりです。

また、取引の終了時期がいつであるかはQA2のとおりですが、少なくとも最後の取引(借入れ、または返済)から10年以内であれば、過払い金返還請求が可能です。

A4 過払い金はどうやって計算するのか

過払い金の計算は、契約当初からの全ての取引履歴(借入れと返済)を、利息制限法に定められた法定利率(15%~20%)で計算し直すことによっておこないます。この再計算のことを、引き直し計算ということもあります。

この再計算によって、法定利率を超えて支払っていた利息が、元本の支払いに充当されるので、過払い金が生じることになります。

ただし、法定利率は、借り入れ元本が10万円以上100万円未満の場合、年18%です。したがって、契約利率が18%以内であったならば、過払い金は発生しないことになります。

また、法定利率を超えて支払っていた利息は、まず元本の支払いに回されますので、借入れ元本はそのままにして、払い過ぎた利息だけを先に返してもらうことはできません

つまり、払い過ぎた利息を元本に充当することで、借入れ元本がマイナス(過払い)になった場合に、はじめて過払い金請求ができるのです。

契約当初からの全ての取引を知るには、相手方(消費者金融、クレジット会社)から取引履歴を出してもらいますが、司法書士にご依頼いただけば、ご自分で手続きする必要はありません。

A5 途中完済がある場合の過払い金の計算は

借入れの全額をいったん返済し終わった後に、再び借入れをしていることがあります。この場合でも、途中完済時に解約していないのであれば取引は終了していないと考えられます。よって、途中完済があったとしても、一番はじめに借りたときにさかのぼって、全ての取引を一連のものとして計算すれば良いのです。

ただし、たとえ解約していなくとも、途中完済がある場合には、相手方の消費者金融等より、完済の前後が別取引であるとの主張がなされることが多いです。また、過払い金返還請求訴訟においても、裁判所が一連計算を認めないことがあるのはQA2で述べたとおりです。

A6 取引が2つ以上の場合の過払い金の計算は

一旦完済した際に基本契約を解約し、その後、再び借り入れをした場合には、全ての取引を一連計算するのは困難です。たとえば、10年前に初回の借入れをして5年前に完済解約し、その後、期間が空いてから再借り入れをしたような場合です。

また、途中完済時に解約していなかったとしても、再借り入れまでに数年の空白期間があったような場合も、通常は別々の取引だと判断せざるを得ないでしょう。

このように取引が2つ以上であると考えるときは、まず、それぞれの取引を個別に再計算します。そして、その計算結果を差し引きすることで過払い金を算出することになります。たとえば、一つ目の取引が50万円の過払いで、二つめが20万円の過払いであったなら、過払い金は合計70万円です。

そして、もしも一つ目の取引は50万円の過払いだが、二つ目の取引は20万円の借入れ元本が残るという場合には、過払い金が30万円となります。つまり、たとえ一連計算が認められないとしても、以前の取引による過払い金と、現在の取引の借入れ元本とを相殺することができるわけです。

A7 途中完済から10年以上経っている場合の過払い金の計算は

途中完済から10年以上が経っている場合、その途中完済時に取引が終了していたと判断されるならば、過払い金返還請求権は時効により消滅していると考えられます。したがって、再借入後の取引のみについて過払い金の計算をするしかありません。

ただし、途中完済から10年以上が経っているとしても、取引終了はもっと後だと考えるならば、最初の取引分についても過払い金の計算を行い、返還請求できる余地はあります。自己判断であきらめずに、専門家に早急に相談してみるのが良いでしょう。

A8 過払い金請求するには裁判しなければならないのか

過払い金請求をするのにあたって、必ずしも裁判が必要なわけではありません。話し合いにより、過払い金返還についての合意が成立すれば、裁判をしなくとも過払い金の返還を受けることができます。

しかし、相手方によっては、任意の話し合いでは、過払い金の元本を大幅に下回る返還額でなければ和解に応じないこともあります。消費者金融各社の業績悪化に伴い、そのような傾向が強くなっているのが現状です。

そこで、裁判(過払い金返還請求訴訟)による方が、より多くの過払い金の返還を受けられる可能性が高くなるといえるでしょう。

ただし、相手方の経営状況によっては、多少の減額に応じてでも早期返還を受けた方が良いこともあるかもしれません。また、ご依頼者の意向に反してまでも裁判を強く勧めることはありません。あくまでもご相談のうえ、ご依頼者のお考えを第一に優先しますのでご安心ください。

A9 裁判(過払い金返還請求訴訟)では裁判所に行く必要があるのか

司法書士(認定司法書士に限る)は、簡易裁判所における民事訴訟の代理人となれますから、過払い金元本が140万円以下の過払い金返還請求訴訟であれば司法書士にお任せいただくことができます。この場合、ご依頼者に裁判所へ行っていただく必要はありません。

過払い金元本が140万円を超える場合には、ご依頼者自身が裁判所に出頭していただく必要があります(本人訴訟)。ただし、訴状やその他の書類作成、裁判所への提出は司法書士が行いますし、訴訟の進行についてもサポートいたしますからご心配は不要です。

A10 相手方が倒産した場合、過払い金はどうなるのか

過払い金請求の相手方である、消費者金融やクレジット会社が倒産した場合でも、すでに過払い金の返還を受けているのであれば何の問題も無いのは当然です。

しかし、和解(訴訟上の和解も含む)した後、返還期日までの間に、相手方が会社更生、民事再生、破産といった倒産手続に入ってしまった場合、和解どおりの支払いを受けることはできなくなります。

その後は、裁判所の監督の下で弁済が行われることになりますが、多くの場合、過払い金元本よりも返還額が大幅に少なくなるものと思われます。たとえば、平成22年9月に会社更生手続開始の申立てをした株式会社武富士の場合、過払い金元本に対する弁済率は3.3%(第1回弁済)となっています。

このように、過払い金の返還を受ける前に相手方が倒産してしまうと、受け取れる金額が大幅に減ってしまう可能性が高いので、相手方の経営状況によっては、多少の減額をしてでも早期返還を求めたほうが良いこともあるでしょう。

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