免責不許可事由(破産法252条)に該当する行為がある場合、自己破産申立をしても免責が許可されないことがあります。

免責不許可事由として問題になることが多い行為として、ギャンブル(パチンコ、競馬など)、浪費(ショッピング、飲食代)などが主な借金の原因である場合が挙げられます。

また、最近ではクレジットカードで買った商品(乗車券・商品券など)をすぐに売却する換金行為が問題になることが多いです。クレジットカードのショッピング枠の現金化は、そもそもがカード規約違反であり、犯罪行為に該当する恐れもあります。さらに、免責不許可事由になる行為ですから絶対にすべきではありません。

また、過去に自己破産して免責許可決定が確定している場合、その確定の日から7年以内の免責許可申立は、免責不許可事由となります。個人民事再生のうち、給与所得者等再生を利用してその再生計画を遂行した場合、再生計画認可決定の確定日から7年以内の免責許可申立をした場合も同様です。

上記のような免責不許可事由がある場合には、免責許可決定が出ないのが原則なのですが、免責不許可事由のいずれかに該当する場合であっても、裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができるとされています。

現実にも、多少の免責不許可事由に該当する行為があっても、免責が許可されているケースが多いです。たとえば、少しくらいギャンブルをしていたからといって、ただちに免責不許可になるわけではありません。また、免責不許可事由の内容や程度によっては、破産管財人による調査を経た上で免責許可決定がなされることもあります。

自己判断で破産申立をあきらめるのでは無く、まずは、専門家(弁護士、司法書士)に正直に話をして判断を受けるべきです。その上で、免責許可決定を得るのが難しそうな場合には、個人民事再生など他の債務整理手段を選ぶこともありますし、他に手段が無いと判断されるときには多少の困難を承知の上で自己破産申立をすることもあります。