以前にも記事にしていますが、消費者金融やクレジット会社への消滅時効援用についてのご相談を多くいただいております。

当事務所としては、消滅時効の援用についてとくに積極的に広報をしているわけではありません。それにもかかわらずご依頼・お問い合わせが多いのは、長期延滞の状態になっている契約者(借り主、債務者)への督促を積極的におこなう会社が増えているのでしょうか。

ここのところよく目にするのが、MUニコス・クレジット株式会社からの「ご通知」との表題の請求書(督促状)です。この通知書には以下のような記述があります。

MUニコス・クレジット株式会社は、平成24年4月1日及び同年10月1日に三菱UFJニコス株式会社(分割会社)の事業の一部を承継する吸収分割を行いました。
これに伴いまして、MUニコス・クレジット株式会社は、分割会社とお客様との間で締結された契約に基づき分割会社が有していた債権の権利・義務を承継しております。
つきましては、右記の「ご請求金額」をお支払い下さい。
尚、MUニコス・クレジット株式会社は三菱UFJニコス株式会社の100%子会社です。
※行き違いにお支払い済みの場合はご了承ください。

MUニコス・クレジットが、三菱UFJニコス株式会社の、事業の一部を承継しているとのことです。したがって、三菱UFJニコスや日本信販と取引のあった方に対して、MUニコス・クレジットが請求をおこなうのは正当な行為です。

組織の再編にともない、消滅時効期間を過ぎているかどうかに関係なく、長期延滞者に対して一斉に通知書(請求書)を送付しての督促をおこなっているのだと予想されます。そのため、上記通知が届いた場合であっても、すでに消滅時効期間が経過していることも多々あります。このときには、司法書士に依頼して消滅時効の援用をするだけで支払い義務が消滅することになります。

また、消滅時効の援用を前提に司法書士に手続きを依頼した場合であっても、実際には消滅時効期間が経過していなかったり、途中で時効の中断事由が生じていたために時効援用が認められないこともあります。このときには、上記と同じように少しでも遅延損害金の免除を得られるように交渉をおこない、和解契約を締結することになります。

督促を放置してれば、いつまで経っても信用状態が回復せず延滞の状態が続くこともあります。支払い義務が残っているのかどうかにかかわらず、きっちりと過去を清算しようと考えるのであれば、債務整理の専門家(認定司法書士、弁護士)に相談すべきです。高島司法書士事務所でもご相談をお受けしていますので、ご予約のうえご相談にお越しください。

消滅時効の援用