過払い金請求において取引といった場合には、金銭消費貸借取引(きんせん しょうひたいしゃく とりひき)、つまり貸金業者との間でおこなっている借入と返済のことを指します。

まず、月々の返済が続いている状態の場合には、借入や返済の度に新たな取引が発生しているのでは無く、最初の借入から現在に至るまでを一つの取引と考えます。したがって、取引はずっと続いており、終了したことは一度も無いわけです。

それでは、完済している場合はどうでしょう。この場合、最後の取引は返済であるはずですから、この返済のときに取引が終了したと考えられそうですが、必ずしもそうとは限りません。

なぜなら、取引が終了したというためには、基本契約の解約が必要だからです。よって、完済をしてもカードをそのまま持っていて、借入をしようと思えばすぐに出来るような状態であったとすれば、取引が終了しているとはいえません。

クレジットカードの場合でいえば、キャッシングの借入残高がゼロになったとしても、カードを解約していなければ取引は終了しません。消費者金融でも、ATMで完済してそのままカードを持っていたとすれば、借入残高はゼロであっても取引は継続していると考えられます。

ただし、現実の裁判(過払い金返還請求訴訟)では、上記のように完済時に解約していなかったとしても、それから1年程度の間、再借入れがなかった場合には、上記の完済時に取引が終了していたと判断されてしまうことも多いようです。