すでに消滅時効が成立している債権についても、裁判手続きによる請求がおこなわれることがあります。あきらかに時効期間が経過しているような場合であっても、債権者から訴状が提出されれば裁判所は受付をするしかないのです。

ただし、債権者から訴訟の申立てがされ、裁判所から訴状が届いた後であっても、それから消滅時効の援用をすることは可能です。

たとえば、訴状を受け取った後に提出する答弁書により消滅時効の援用をすることができます。そして、原告(債権者)が消滅時効が成立していることを認める場合、そのまま裁判を続けても仕方ないので、訴えを取り下げてくるのが通常です。

訴状が届いた後すみやかに答弁書を提出すれば、第1回口頭弁論期日(最初におこなわれる裁判の日)の前に、原告から取下書が提出されることもあります。その場合、1度も裁判がおこなわれることなく手続きが終了することとなるわけです。

訴状が届いた後の時効援用についても、千葉県松戸市の高島司法書士事務所(松戸駅東口徒歩1分)にご相談ください。

なお、司法書士にご依頼いただけるのは、請求金額(訴訟物の価額)が140万円以下の場合に限られます(訴額が140万円を超える場合は弁護士にご相談、ご依頼ください)。

ティー・アンド・エスからの訴状に対する時効援用

簡易裁判所から原告が株式会社ティー・アンド・エスとなっている訴状が届いたとのご相談が立て続けにありました。

株式会社ティー・アンド・エスから借入をしたわけではなく、当初の借入先である消費者金融などから債権譲渡がされたことにより、現在の債権者はティー・アンド・エスであるとの主張にもとづき訴えを起こしてきています。

たとえば、株式会社アエル、株式会社ナイスなどとの金銭消費貸借契約にもとづく借入金債務が、株式会社クリバース、株式会社シーエスジーなどに債権譲渡され、これらの会社からさらに債権譲渡を受けたとする株式会社ティー・アンド・エスが原告となっているわけです。

ご相談者からお話を伺うと、もともとの借入の事実は認めるとしても、債権譲渡を受けたとする会社(クリバース、シーエスジー、ティー・アンド・エスなど)の名前にはまったく記憶がないのが通常です。

それでも裁判所へ訴えが起こされ、訴状が送られてきてしまった以上は、身に覚えのない会社による裁判だからといって放置してしまったら駄目です。原告の請求を認めたことになり、そのまま原告勝訴の判決が出てしまうことになります。

そうなれば、そもそもは時効が成立していたはずの債権についても、判決が確定したときから10年間は消滅時効が認められなくなってしまいます。

裁判所から訴状が届いた後であっても、消滅時効の援用をすることができます。裁判所に提出する答弁書において、すでに時効期間が経過していることを主張し、消滅時効の援用をするわけです。

本件の場合であれば、原告である株式会社ティー・アンド・エスが時効であることを認めるときには、訴えを取り下げてくるものと思われます。

少し前にご依頼のあったケースでは、第1回口頭弁論期日の前に原告から取下書の提出がありました。答弁書の提出のみで裁判が終了し、1度も裁判所へ行くことなしに解決に至ることができたわけです。

株式会社ティー・アンド・エスや、その他の会社から昔の借金についての訴状が送られてきたときは、早急に専門家(弁護士、または認定司法書士)に相談し、適切な対応をすることをお勧めします。

認定司法書士である千葉県松戸市の高島司法書士事務所(松戸駅徒歩1分)では、消滅時効援用のご相談をうけたまわっています。ご相談予約のページをご覧になって事前にご連絡くださいますようお願いいたします。